前回に引き続きお金を貸さない金貸し業についてです。
証券ファイナンスはお金を貸していないのにあたかもお金を貸しているかのように錯覚させるところがポイントです。
金貸しは貸したお金の使い道を知っている必要があります。ですので借りたお金で何か物品を買うという人にはこの方法が使えません。
貸したお金を形にないものに使う、つまり投資する人に対してはうまく働きます。
具体的に話の流れはこうなります。
1、まず客にお金を低金利で貸し付けるので塩漬けになっている株券を預けてくださいと話を持ちかけます。
2、株券の担保価値を計算してその4倍の貸付をするのでそのお金で別の株への投資話を持ちかけます。
3、もし客がその株に興味を持ったら買い付けの注文をそこで受け付けます。
4、株の売買が成立したらあとは買い付け伝票を客に送るだけ。
1の作業が一番苦労です。なぜかというと誰も聞いたことも見たこともない金融会社に株券のような資産を預けたくないですよね。1日100件くらいに電話をして1ヶ月3人でも顧客にできれば上出来なほうでしょう。
2は例えば株券の評価額が200万円だとします。そうするとそのうちの80%なので160万円が現金としても担保価値になり、証券ファイナンスが融資する金額は480万円。合計投資金額は640万円となります。それに対する金利は年間480万円×0.05=24万円となるわけです。
ここで証券ファイナンスは融資の話はするがお金は送りません。この担保に対して4倍までの貸付をするのは他の株券を購入するというのが条件です。
次は3、もし客が他に気に入った銘柄がありその株を購入する決心をした場合ですが証券ファイナンスは自分の会社の名義で株を買います。そうすることで実際の投資家(顧客)の名前は証券会社が知ることはありません。もしこの株価が値上がりして100万円の利益が30日間で出たとします。利益100万円から所得税(15%)と住民税(5%)を合わせた分つまり20万円+30日間の金利2万円が引かれ純利益は78万円となります。(基本的に株式売買にかかる手数料は客の負担になりますがオンラインなどで売買した場合手数料はほとんどかかりません。)
元金が200万円の塩漬けの株券を使って30日間で78万円、利益率は39%!悪くないですね。
でもこれは株価が値上がりした場合で値下がりした場合はどうなるのでしょうか。
元本160万円に融資額480万円の合計640万円を投資して100万円損した場合は元本の160万円が目減りします。それだけではなく融資に対する30日分の金利2万円もさらに払うので合計の損失額は102万円となります。元金は1ヶ月で58万円に。ハイリスク ハイリターンですね。
今度はこの58万円を元金としてその4倍の232万円が融資されるので合計290万円の投資ができます。下げ相場では損切りを繰り返し最終的には元金が0円になって終わるという悲しい結末です。
さてここで問題です。
200万円の評価額の株券を証券ファイナンスに預け60日間融資を受けその後に株価が下がり元金をすべて失ったとします。この取引で証券ファイナンスが得た利益はいったい幾らなのでしょうか。
正解は融資額×5%金利×365分の60という計算になります。仮に買った株の値段60日間ほとんど動かず元金が60日間160万円を保っていたとしましょう。160万円に対する融資は480万円ですので480万円×5%×365分の60で約4万円。
答えは200万円の評価額の株券を預けた人から証券ファイナンスが得る平均の金利は4万円。とこれは不正解です。
1ヶ月に3人顧客を獲得できたとしても60日間で得られる金利は12万円。これでは美味しい商売でもなんでもありませんよね。
では証券ファイナンスはどうやって儲けを出しているのでしょうか。
上記の問題の正解は
証券ファイナンスが得る利益は200万円です。
続きは次回のお金を貸さない金貸し証券ファイナンス-その3-にて。
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